その日は朝現場に入ると緊張の面持ちだった。水屋の元請けの正社員にとって会社として問題がある為、ある一次下請け業者の従事者に連絡は取るなという話を出社直後に言われた為だ。最初は何のやりとりなのか、出社時点ではわからず、いつも通りの繁忙な日常のルーチンを規定通りにこなし、その日も過ごそうとしていた。オペレーションにおける人員が限りなく削られていてやる事が詰まっているからだ。
しばらくルーチン作業をこなしながら水屋が指摘する問題の様子を見ていると水屋の正社員がいつも距離を置いている対立関係にある配達早いがトラブル対応もきちんとするドライバー及び業者と険悪な様子が確認された。水屋の正社員のジャイアンが法廷ボリュームを超える積載量を、関係がうまくいっていない業者のDAにさせていたのだ。
私はいつもながらになんだかなぁと感じていた。水屋の正社員が行うパワハラだったからだ。私は水屋の正社員と関係が上手くいっていないが、仕事はきちんとこなす配達員を認めていた。何故ならトラブルにもきちんと対応し配達の仕事自体もテキパキこなしていたからだ。水屋のジャイアンの行動はおかしい。めくじらをたてる理由が他にあるのもなんとなく感じていた。私は現場できちんと仕事をこなすDAが所属している業者に過積載を水屋の正社員がさせていた事実を伝えた。その日その子が訴えていたおかしな荷量が413kgだったと。水屋のジャイアンはきちんとした積載量を数えられない人だった。その後もその業者の現場責任者と揉めていた。その業者の現場責任者よりフレックスの従業員を先に優先する動きも水屋の正社員がしていた。わざと荷物を積み込ませるのを遅らせ規定時間を超えさせる為に。
その月に過積載のおかしさを訴えた子は何故か退職していった。私は水屋のおかしな論理がはたらいているとその時も思った。その子の退職日に私は連絡を取ろうとしたが何故だかそれは上手くいかなかった。私はその子に別の業者がいる世界に行っても成功して欲しいと思っている。おかしな日常がまがり通らない世の中であり続けて欲しいからだ。